認知症未来共創ハブ

いま、世界で認知症のある方の数は約3,560万人、2050年までに1億人を超え、日本でも65歳以上で認知症のある方は、2012年時点で約462万人、2050年には1,000万人を超えると推計されています。あなたやあなたのご家族、お友だち、ご近所、同僚のなかにも、きっと認知症とともに生きる方々がいらっしゃることでしょう。

認知症になっても、できるだけ自分のことは自分で、家族のなかで、仲間とともに地域で、職場で役割をもって、笑顔で過ごす方々が少しずつ増えてきました。
日本各地で、世界中で、その方々の姿や声が、社会の灯りとなる力を放っています。
しかし、自分や身の回りの人が認知症になったことで、日常生活や仕事で壁にぶつかり、うずくまっている人たちもたくさんおられます。

そこで、私たちは「認知症とともによりよく生きる未来」をつくる活動を、皆さんとともにはじめたいと思います。

「認知症未来共創ハブ」とは、当事者の思い・体験と知恵を中心に、認知症のある方、家族や支援者、地域住民、医療介護福祉関係者、企業、自治体、関係省庁及び関係機関、研究者らが協働し、ともに未来を創る活動体です。

認知症とともに生きる方々が安心して過ごせる地域が増えるために。
その暮らしを支え、豊かなものにする事業・サービスがどんどん生まれるために。
社員・職員やその家族が認知症になっても働き続けられる職場が当たり前になるために。
あなたやあなたの大切な人が認知症になっても笑顔で暮らせるために。
そして、あなたの思い・体験と知恵を、いまと未来に向けて活かすために。

この活動体への多くの方々のご参加を願っております。

認知症未来共創ハブ
代表 堀田聰子
(慶應義塾大学大学院教授)

認知症未来共創ハブ

認知症未来共創ハブの事業概要

1. 当事者参加型パネル

1-1. 認知症のある方等の語りのプラットフォームの構築

認知症とともによりよく生きる暮らしと未来に向けた、認知症のある方やそのグループ、家族や支援者等の「語り」のプラットフォームを構築し、蓄積した語りを当事者とともに編集・発信する。参加する認知症のある方等に金銭的/非金銭的なインセンティブが付与される仕組みとする。

1-2. コーディネート人材の養成、マッチング

認知症のある方や家族等への理解と共感、行政・企業・コミュニティそれぞれの活動原理への理解をもち、認知症のある方と自治体や企業等が、よりよい未来に向けた施策・事業・サービス・商品づくりに向けて協働する企画の提案や推進ができるコーディネート人材(認知症未来共創ファシリテーター)を養成する。

2. 学術研究・評価

2-1. 認知症のある方の体験・知恵の構造化と学術的知見との融合

認知症のある方が実現したいこと、日常生活の状況、大切にしていること、困っていること、暮らしのなかでの工夫等について質的・量的調査を設計し、認知症のある方とともに結果を分析・検討する。学術的知見を組み合わせ、領域別課題マップを作製し、解決後の未来構想図を描く。

2-2. 認知症のある方の社会参加・就労の推進基盤の整備

認知症のある方の思いと能力のアセスメント、ユニバーサル就労に向けた業務分解、そのマッチング手法の開発等を進めるとともに、以上これらを支える社会制度を検討し、認知症のある方の社会参加・就労支援のシステムを構築する。

2-3. 共創による施策・事業・サービス・商品開発の知見収集と効果検証

認知症のある方との共創事例を国内外から収集し、その社会的価値の見える化及び評価手法の検討、評価に取組む。

3. 実証・実装

3-1. 認知症フレンドリーな商品・サービス開発のガイドラインを整備

認知症フレンドリー認証(仮)を定義し、その基準や手法を含むガイドラインを整備する。

3-2. 認知症のある方と共に商品・サービス開発に取組む事業の推進

パートナー企業・自治体とともに、認知症フレンドリーガイドラインに基づく事業開発・まちづくりを推進する。

3-3. 認知症フレンドリーな事業に対する社会的投資の推進

認証された取組みに対する社会的投資が集まるよう、投資基準への反映を目指し、ESG投資や健康経営銘柄に類する認知症フレンドリー投資を推進する。

3-4. 実証フィールド(リビングラボ)の構築

認知症のある方と行政や企業、研究者等による共創の実証フィールドをネットワーク化し、住まいや医療介護福祉関係者などと連携した生活のリアルタイムデータの取得、マルチステークホルダーによる社会実験等を展開する。

4. 政策提言・発信

4-1. 共創に関わる政策提言・発信

認知症のある方と関係者、行政や企業、研究者等の「共創」を定義し、社会的普及をはかる。

4-2. エビデンスや学術的な調査研究に基づく政策提言・発信

当事者の視点や国際的な動向も踏まえながら、備え、ケア、生活支援、社会受容、認知症のある方の社会参加・就労、研究開発をはじめとするあるべき認知症関連の施策案を、学術的な根拠に基づきとりまとめ、提言する。

事務局所在地

住所: 東京都文京区千駄木2-40-12 1階
電話: 03-6273-7673