Column: 001

カイケイの壁

支払い終わるまでが冒険だ!

2019.08.02

認知症世界。この世界には、「お会計」を無事終えるために、頭をひねり、手を伸ばし、標的を掴んで初めて乗り越えられる無事にたどり着くための高い壁がそびえ立っているのです。

よく困ってしまうのは、
「お会計は355円です」
と言われて、お財布を取り出そうと
目線を落とした瞬間に、いくらだったのか忘れてしまう*1こと。

今までは何回かに一回程度だったのですが、最近ではほとんど毎回聞き直しています。
数字や記号は特に記憶に残りにくい*2ようです。
533円と勘違いしてしまうのも、しばしば。

でも実は、ただ忘れてしまうだけではなくて、計算することも難しくなっているのです。

店員さんから355円と言われても、100円が3枚と10円が5枚…というふうにパッと頭に浮かばない*3のです。

シルバーと白の微妙な色の違いがわからなかったり*4硬貨の大きさの違いが、パッとわかりにくく*5、100円と1円が区別できないこともよくあります。
この前は、100円玉の代わりに、1円玉を出してしまい、355円なのに、58円出してしまいました。

1円を1円だと、ちゃんとわかっていても、うまく掴めないこともあります。お財布という小さな空間に指をいれ*6親指と人差し指をうまく目的の場所まで動かし*7掴みたいものを掴む*8。ひとつひとつが格闘の連続です。

最近、スーパーマーケットのお会計も多様化してきているのを感じます。レジが無人で自分でバーコードをスキャンするところや、商品の打ち込みまでは店員さんがレジにいて、支払いだけは別の機械で精算するところも出てきています。いつも行かないスーパーに入ると知らないシステムで戸惑ってしまう、ということもよくあります。

そんなわたしでも、キャッシュレス決済をするようになってお会計はだいぶ楽になりました。
クレジットカードだけでなく、チャージ式の電子マネーが使えるところも増えてきたので、小銭がうまく取り出せずに焦ることもなく助かっています。
もう少しICカードの種類や仕組み、チャージ方法がわかりやすくなると、この世界でも誰もが会計の壁を感じることなくお買い物を楽しめるようになるに違いありません。

Barrier:

「カイケイの壁」に直面する背景には、
以下8つの認知症に伴う心身機能の障害が考えられます。

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Knowledge:

認知症のある方ご本人、支援者、家族、その他全ての人のこの課題解決のための知恵や世の中の障壁に関する情報を掲載します。皆さんの知恵の投稿もお待ちしております。

認知症のある方ご本人、支援者、家族、その他全ての人のこの課題解決のための知恵や
世の中の障壁に関する情報を掲載します。皆さんの知恵の投稿もお待ちしております。

  1. 共創ハブ研究員の知恵

    2019.08.02 投稿

    キャッシュレス決済

    共創ハブ研究員の知恵

    2019.08.02 投稿

    モバイルSuicaを使っています。駅構内だけでなく、コンビニやスーパーでも使えるので便利です。携帯に登録できるので、カードを家に忘ることもありません。また、チャージする時も、クレジットカードや銀行口座からチャージができるので、チャージ機の前でもたつくする心配もなく便利です。
    https://www.jreast.co.jp/mobilesuica/index.html

  2. 樋口直美さんの知恵

    2019.08.02 投稿

    コインホーム

    樋口直美さんの知恵

    2019.08.02 投稿

    レビー小体病の仲間が使っているコインケースです。
    財布が、すぐ小銭で一杯になってしまい、取り出すのに時間がかかっていた困りごとが、解決したそうです。
    「コインホーム」という商品名で、ネットで買えます。

  3. 樋口直美さんの知恵

    2019.08.02 投稿

    ゆっくりやりますカード

    樋口直美さんの知恵

    2019.08.02 投稿

    支払いに時間がかかる人専用のレジ(スロー・レーン)があると聞いたのですが、「レジ袋不要カード」のように「ゆっくりやりますカード」があったらどうでしょう?
    可愛いカメのイラストが付いていて、レジの人と次の人が見て合わせてくださったら、焦らずに済みますよね。
    いろいろな病気や事故や障害や加齢で、支払いに時間が掛かる人たちは、実はたくさんいらっしゃるんじゃないかと思っています。
    そんなことを誰もが知っているだけで、ずいぶん暮らしやすくなるんじゃないかとも思います。

  4. 山田真由美さんの知恵

    2019.08.02 投稿

    中と外で色が違うバック

    山田真由美さんの知恵

    2019.08.02 投稿

    内と外の色が違うバッグだと、バッグの入り口がすぐにわかるので自分の手をどこに入れるのかがわかりやすく、中からものを取り出しやすいです。さらに、バッグの内の色と財布の色が違う色だと、「バッグのあそこに財布がある」と中身がより認識しやすくなるので、いろんなものが入っている中でもすぐに見つけ出すことができます。

  5. 共創ハブ研究員の知恵

    2019.08.02 投稿

    スローショッピング

    共創ハブ研究員の知恵

    2019.08.02 投稿

    イギリスでは、スーパーマーケットやIKEAなどで、高齢者や認知症のある方がゆっくりと時間をかけ、安心して買い物ができる時間帯を設けています。さらに、販売スタッフは、認知症のある方へ適切な対応できるような教育を受けています。この取り組みは、認知症のある母親を持つ方が発案し、実践しています。
    http://www.slowshopping.org.uk/ourstory/

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