はじめに
この連載では、認知症のあるおじいちゃんの周りでおこる日々の“ちょっとした困りごと”を、物知りおた助くんが困っている人にデジタルツールを紹介して解決していきます。デジタルツールというとなんだか馴染みが無く敬遠してしまうという人も大丈夫、あなたが毎日使っているスマホもその一つです。特別なものや知識は必要ありません。認知症のある方、また関わるご家族、支援者の方、地域の人たちの暮らしがほんの少しでも便利になるような連載を目指していきます。
今回の登場人物
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おた助くん
学くんの同級生で、スマホ、パソコンなど最新の技術に詳しい高校生。
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学くん
なんでもチャレンジしてみる高校生。認知症のあるおじいちゃんと暮らしている。
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きとうさん
地域包括支援センターの職員。認知症のある方の暮らしや制度に詳しい専門職。
おじいちゃんとお母さん...最近ちょっと最近言い合いが多いなぁ。おじいちゃんがちょっと約束わすれたくらいであんなに目くじら立てなくても...
一人でブツブツとどうしたの？
あ！おた助くん久しぶり。おじいちゃんが最近約束を忘れちゃうんだけど、それをお母さんが何度も言うから2人がちょっとギクシャクしてるんだ。どうにかならないかなぁ。
そっか、それは難しい問題だね。身近な人に自分のミスを責められ続けるのって悲しいよね。お母さんもきっと言いたくないのにどうしていいのかと気が重いだろうし。
そうなんだよー。なにかいい方法ないかな。おた助くん〜！
それなら、リマインくんはどうかな？学くんはLINEはやってるよね。リマインくんは予定を覚えておいてくれてLINEを通じて教えてくれるんだよ。
LINEは僕も家族のみんなもやってるけど、リマインくんは知らないな。でも、それとても良さそう！今回はそれについて教えて！
了解！LINEでリマインくんを友だち追加してメッセージをやり取りするだけだから簡単だよ。じゃあ説明するね。
リマインくんとは
忘れたくないけれど…忘れてしまいそうなちょっとした予定などの内容と日時を、LINEのトークで「リマインくん」宛に送信しておくと、知らせておいた時間に通知してくれるものです。わざわざアプリを入れることなく、リマインくんを友だち追加すればLINE上ですぐに利用できます。「〇日10時に〇〇さんと夕食」「〇日15時から認知症カフェ」などの予定を知らせてもらうことも出来ますし、複数人で使用できるグループトーク内にリマインくんを追加してお知らせしてもらうこともできます。
リマインくん公式ページ
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スマートフォンで多く使用されているメッセージアプリLINE内で使用できるチャットボットです。「BOT（ボット）」とは、ロボットの略で、人の代わりに自動的にコンピューター上で決められたことを行ってくれるものをさします。リマインダー(reminder)とは、思い出させる物・通知・注意という意味。「リマインくん」はリマインダーを擬人化させた予定をお知らせするということに特化したボットです。
リマインくんの使い方
今回もiPhone7を使って説明していくね。
LINEを登録してなくてこれから始めたい場合は公式ページにわかりやすい説明があるのでそちらを見てください。「LINEに登録するには」にURLをまとめてあります。もうスマートフォンにLINEが入っている人は「リマインくんと友達になる」から御覧ください。それでは始めていきます。
まずはスマートフォンのカメラアプリを起動してリマインくんの公式ページからQRコードを読み取っていきます。こちらのQRコードを読み取ることでリマインくんの友達追加がすぐに出来ます。
リマインくんのQRコードのページ
https://line.me/R/ti/p/%40aum5545l
左側写真：カメラをQRコードにかざします。黄色の枠が出たら認識されたということになります。
右側写真：認識すると画面上部に「LINEで開く」とお知らせが出るのでそちらをタップします。
＊LINEアプリの友だちタブを開き、画面右上にある友だち追加ボタン＞[QRコード]をタップして、コードリーダーでスキャンでも同じ様にリマインくんを友達追加することが出来ます。
左側写真：友達追加の画面に移動するので、画面中央の「追加」をタップします。
右側写真：追加をするとすぐに、リマインくんから最初のメッセージが届きます。
左側写真：登録後に来たメッセージを開いてみると、画面下半分が「新しいリマインダ・一覧を見る・使い方」という緑色の部分に覆われて全てのメッセージが読めません。画面下部の「登録/確認」をタップすると収納されます。
右側写真：緑の部分がない状態になりました。また緑の部分を戻したい場合は画面下部「登録/確認」をタップすると表示されます。最初のメッセージが全部見ることが出来ました。
左側写真：画面左下の角にあるグレーの四角形をタップするとメッセージを書ける画面に変わります。
右側写真：画面が遷移したら、そのまま予定を入力してください。入力が終わったら青色の紙飛行機マークをタップしメッセージを送信します。
左側写真：すぐにリマインくんから返事が来ます。予定を復唱して、「覚えたよ！」と言ってくれていれば予定を記憶してくれたことになります。そしていつ教えて欲しいか聞かれます。
右側写真：いつ教えて欲しいか伝えます。この時は「明日の12時50分」としています。「10時」や「５日」など時間や日にちだけではお知らせ出来ないので、何日の何時かわかるように伝えてあげてください。
左側写真：お知らせしたい日時を送ったあとにはこのようなメッセージが来ます。「じゃあ〜に言うね！」と来たら登録完了です。
右側写真：「一覧を見る」で登録されているか確認してみましょう。または、「確認」とメッセージで送るだけで、同じように登録されているリマインダーを見ることが出来ます。
無事確認できました。これで登録は完了です。
左側写真：指定した日時にLINEにリマインくんからメッセージが来ました。
右側写真：開いてみると、「明日13時からZoomで渡辺さんと会う」の時間だよ！ファイトとメッセージが来ています。画面中央に「5分スヌーズ」「10分スヌーズ」「30分スヌーズ」とあります。こちらをタップするとまた5分後、10分後、30分後にメッセージを送ってくれます。
左側写真：一番大きな緑色の「新しいリマインダ」をタップしてみると、こちらから「リマインド」と一言送られます。そうすると画面中央のようなメッセージが帰って来ます。こちらはあまり使うことがなさそうですね。
右側写真：最後に「使い方」をタップするとリマインくんの使い方を教えてくれます。使い方がわからなくなった時はこちらをタップしましょう。何度でも教えてくれます。
複数人でのグループにリマインくんを入れればみんなの予定を管理してくれる心強い助っ人に。まずはグループにリマインくんを招待しましょう。
左側写真：グループトーク画面右上漢数字の三のような記号をタップします。
右側写真：画面上部の招待と書かれた人形の絵をタップします。
左側写真：友達の選択画面に移動したら、「名前で検索」をタップします。
右側写真：「リマインくん」と入力します。候補でリマインくんが出てくるのでそこをタップします。
左端に緑色のチェックマークが付いたら、右上の招待をタップします。これで招待が完了です。
グループにリマインくんの招待と参加が完了すると、リマインくんから最初のメッセージが来ます。
右側写真：グループの場合に予定を伝えて覚えていてほしい時は、メッセージの最初に「リマインくん」と入力して内容を伝えましょう。また、時間を一緒に伝えるとその時間に知らせるように設定されているので知らせてほしい時間と予定の時間が違う場合は気をつけましょう。
＊リマインくんとの1対1でのトークの時は用件とお知らせしてほしい時間を別々に伝えていますが、グループの場合は1回のメッセージで一緒に送らないとリマインくんが認識してくれません。
登録されている予定を知りたい時は「リマインくん 一覧」で確認出来ます。リマインくんとの1対1でのトークでも「一覧」と一言送ると同じように表示できます。グループの場合、キャンセルも一覧から行います。リマインくんからの返信下部に青色の文字で「キャンセル」とあるのでそこをタップします。
今回はLINEで「リマインくん」を友だち追加するだけですぐ使えて簡単だったよ。自分の予定管理から家族のグループトークといろいろな使い方が出来てみんなでリマインくんにはまってるよー。
それは良かった。何人かで予定を共有したい時にグループトークで活用すると、予定管理の負担がなくなるのがいいよね。
うん、共有する予定をお母さんがリマインくんに伝えておくと約束の時間にメッセージがくるから、それでおじいちゃんが気づいてさ、言った言わないが少なくなってよかったよ。それにリマインくんは話し言葉で気さくに伝えてくれるからそれもいいみたい。ちょっと親近感が湧くというか。
役にたったようで良かったよ。他にはもう問題ないかな。ちょっと顔が晴れきってない感じがするけど。
あ！いや！すごくリマインくんは良かったんだよ！でもおじいちゃんの薬を飲むとか血圧を測るとかそういった毎日繰り返すものも時々忘れちゃってて、それもどうしたらいいのかなって。
なるほど。リマインくんに繰り返しでお知らせできるものもあるけど、LINEのメッセージと同じ通知のされ方だから気付かないこととかもあるもんね。それなら、次回はiPhoneにもとから入っている時計アプリのアラームを使って日々のやるべきことをお知らせさせちゃおう！
え！アラームって目覚まし機能だけじゃないの…?楽しみにしてる！
鬼頭さんから一言
リマインくんのよさはなんといっても、その手軽さですよね。普段からLINEを使っている人であれば、簡単に始められますね。 リマインくんにLINEをしておけば確実に教えてくれる、何度でも確認できる（家族さんに確認すると、最初はいいけれど、回数が増えるとお互いイライラしてしまうこともあるかもしれません）というのは、生活の安心感につながるのではないでしょうか。 また、家族のグループに追加できるのもいいですね。本人さんと家族さんのコミュニケーションは大切ですが、直接伝えると角が立つこともあります。そんなときはリマインくんが両者の間に入ってくれることで円滑になりますね。ツールは万能ではないけれど、こういうときにその力を発揮します。人と人だから伝わること、ツールを使うからこそ伝えやすいこと、うまく使い分けることで、コミュニケーションの質も向上するのではないでしょうか。