みすず(仮名)
年齢:
68 歳 (2019年8月)
性別:
女性
生年月日:
1951年
居住地:
神奈川県藤沢市
同居家族:
夫と2人暮らし
職業:
元コミュニティスクール館長
発症年齢:
61 歳頃
診断名:
アルツハイマー型
要介護度?介護保険制度において、心身の状況に応じて判定される介護の必要度。なんらかの社会的支援を要する要支援(1・2)、部分的(要介護1)から最重度(要介護5)の介護を要する要介護の段階がある。<:
要支援1 (2021年9月時点)
当事者同士の集まり頻度:
月に1回市民センター主催の当事者会に参加
これまでのあゆみ
1993年(42)
子どもたちが育ってきたので地区センター職員として働きはじめる
2000年(49)
地区コミュニティスクール館長になり運営に携わる
生涯学習の各種講座、季節のイベントや交流事業、講演会などを企画・運営する
2005年(54)
3月 コミュニティースクール館長を任期満了により退職
6月 土木事務所の公園コーディネーターとして地区の公園愛護会との調整等、公園管理に携わる
花植え、草取りなどの植栽・花壇の管理、設ペンキ塗りや補修など設備のメンテナンス、公園愛護に関わる普及啓発活動などを企画する
2006年(55)
和太鼓クラブに入部、太極拳クラブに入部
2012年(61)
夫と共に県央部の住み慣れた地区より、県南部に購入した新居に転居するという環境の変化があった
和太鼓クラブ退部、太極拳クラブ退部
2013年(62)
土木事務所退職
地区市民大学(ボランティア・地域デビューコース)を受講、SUP体験
2014年(63)
同じことを何度も言うと言われ、ひとりで医療機関を受診する。当時は異常なしの診断
人材派遣として、ベビーシッターを数回経験
シニア体操クラブを地区センターにて創設する
2015年(64)
地区ウクレレクラブに入部
診断
2017年(66)
家族の勧めで保健師の次女より紹介され再び受診。医療センターで検査をする
MRI、HDRテストの結果アルツハイマー病の診断を受ける
ウクレレクラブを退部する
2018年(67)
元気なうちに、と世界一周船旅へ
2019年(68)
2カ月に1度のペースでクリニックを受診。服薬の処方を受けている
毎朝公園のラジオ体操、体操仲間と歌を歌い散歩するのが習慣
地域の当事者自助グループに1カ月に1回参加する他は介護保険等のサービスは使わず過ごしている
夫ともに病院や各施設他を合唱楽器演奏で、1か月に2〜4回慰問するボランティアグループに参加
2020年(69)
コロナ禍でボランティア活動は中止中
社会との接触機会が減り、地区センターへ相談
要支援1と認定され、週1回施設で介護予防のプログラムを受けている
人生・生活の喜び
1
今は諦めてしまった喜び
仕事での年代を越えた人との関り。特に居場所に来る子どもたちは様々で気にかけていた
2
今は諦めてしまった喜び
ウクレレ教室。役員を担当できず辞めてしまった
3
今は諦めてしまった喜び
SUP
意外にバランスを取ることが難しく、数回で辞めてしまった
4
今は諦めてしまった喜び
以前住んでいた地域で子育てを共にした仲間の母たちとの交流
5
発症前後で変わらない喜び
旅行。去年は船で世界一周した
6
発症後の喜び
音楽ボランティア(月に数回福祉施設や市民活動の場で伴奏する)
7
発症後の喜び
毎朝のラジオ体操と歌の会、散歩
今後やってみたいこと
老後を過ごそうと移住してきたこちらは、私たちは子育て世代の父母の世代。
子育て世代は交流が自然にできるが、自分たちとは一歩距離を置いている。
もう少し地域での交流の機会を持ちたい。
生活課題
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生活11分類生活課題DATA心身機能障害知恵
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以前からあまり関心は強くないが、お洒落をしないシンプルな服が落ち着くので、同じ服を大切に何年も着る。10年経っても体型が変わらないのはすごいこと
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新しい製品はどこをどう押したら温まるのか、ご飯が炊けるのか、家電の操作方法がわからない今あるものを大事に使っている。わからない操作は優しい夫が手伝ってくれる
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最初に作ろうと思って準備していた献立の手順がわからなくなり、違う料理が完成するまあ、なんだかんだ行っても料理はできていることだし。結果オーライです!
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徒歩5分もかからないスーパーに行くことに不安があり、買い物に一人で行かなくなった商品選び、清算、家計の管理。夫と一緒に行動することで、不安なく買い物をすることができている
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自転車でよく出かけるが、この辺りの地理にあまり詳しくないこともあって、未だに道がよくわからないどこに行くにも夫と共に行動している。買い物、ボランティア等々、なるべく出かけるようにしている
心身機能障害
社会へのメッセージ
認知症の人が、本人も周りも、特別な意識を持たないでいられる社会に。
MCIの人が、引け目を感じないで、周りに告白できるようになる。心理的な壁の解消になるシステム(教育、社会機構他)の構築の研究、実現。