山田真由美
やまだ まゆみ
年齢:
58 歳 (2018年12月インタビュー時点)
性別:
女性
生年月日:
1960年
居住地:
愛知県名古屋市
同居家族:
こども1人との2人暮らし
職業:
元給食の調理員
発症年齢:
48 歳頃
診断年齢:
51 歳
診断名:
アルツハイマー型
要介護度?介護保険制度において、心身の状況に応じて判定される介護の必要度。なんらかの社会的支援を要する要支援(1・2)、部分的(要介護1)から最重度(要介護5)の介護を要する要介護の段階がある。<:
要介護2 (2018年12月現在)
障害等級(障害者手帳)<?障害者手帳は、一定の障害があることを認定するもので、各種支援策が講じられる。認知症で身体に障害がない場合は「精神障害者保健福祉手帳(1級から3級)」、身体に障害がある場合は「身体障害者手帳(1級から7級)」を申請することができる。いずれも1級が重度。:
精神障害者保健福祉手帳 2級 (2018年10月現在)
介護保険サービス利用:
デイサービス週1回、訪問リハビリ週2回
当事者同士の集まり頻度:
あゆみの会(本人・家族交流会、月1回)
おれんじドアも~やっこなごや(ピアサポート活動、月1回)
これまでのあゆみ
診断
2008年(48)
年賀状を受け取った友人から、文字の乱れを心配され、受診を勧められる。病院に行ったところうつ病と診断され、疑問を抱きながらも、様子見となる(服薬はしていない)
2011年(51)
仕事上や日常生活上で時間がかかることやうまくできないことが増え、再度病院受診したところ若年性アルツハイマー病と診断される
かかりつけ医に若年性認知症と診断されたことを報告すると、「若年性認知症は5年で廃人になってしまう」と言われ、大きなショックを受ける
職場や仲の良い友人には診断のことを話したが、近隣の人には知られたくないという思いが強かった
2013年(53)
友人から若年性認知症本人・家族交流会(のちのあゆみの会)のことを教えてもらい参加するが、参加している当事者が男性ばかりだったためなじめない
交流会には行ったり行かなかったりという期間が2年ほど続く
2015年(55)
仕事が休職となる。あゆみの会で、ある女性当事者と出会い、大変なことやどう生活しているか話すことができ、元気を取り戻す。「今やれることがあるならがんばろう」と思うようになる
名古屋市内で開催された丹野智文さんの講演会に参加し、丹野さんと出会う
2016年(56)
「当事者を元気づけたい」という思いで、講演活動を始める
丹野さんのおれんじドアを視察
2017年(57)
名古屋市西区地域包括ケア推進会議認知症専門部会委員に就任
当事者の相談窓口「おれんじドアも~やっこなごや」を開設し、代表となる
2018年(58)
県外での講演時に「出張おれんじドア」を行い、そのまちの当事者と出会い、元気づける活動を開始
著書・リンクなど
サイト|山田真由美のブログ LINK
人生・生活の喜び
1
今は諦めてしまった喜び
仕事をすること
2
今は諦めてしまった喜び
料理をすること
3
今は諦めてしまった喜び
ヨガやジムで身体を動かすこと
(着替えに時間がかかる、ロッカーのカギが閉められないため)
4
発症前後で変わらない喜び
友人と飲みに行ったり旅行に行ったりすること
5
発症後の喜び
当事者と交流して元気になってもらえること
6
発症後の喜び
講演会等でいろんなまちに行き、いろんな人に出会い、おいしいものを食べること
7
発症後の喜び
メイクや着替えなど、困ることもあるが、いっしょに考えてくれたり、手伝ってくれる人たちがいること
今後やってみたいこと
本人の人に対して発信しなくてはと思っており、ブログを再開したい。
自分が語ることは、できるだけ、やれるまでやりたい。
認知症の症状をVRで提供し、それを専門職教育で活用することを進めたい。
生活課題
喜び
7
喜び
2
喜び
3
喜び
4
喜び
5 6
喜び
1
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生活11分類生活課題DATA心身機能障害知恵
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着替えが難しくて時間がかかる。服のどこを持てばいいのか、どこに手を通すかわからない
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季節が変わり着る服がかわると、着替えの練習が必要になる
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スリッパや靴を履くとき、左右両方あっても片方か、自分の片足しか認識できず、一方を履き忘れる
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着替える時、靴下を履くことが難しい。上下反対に履いて違和感を感じる
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傘の開閉ボタンの突起がわからず開け閉めが難しい。ボタンを探せない
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傘をたたむことができない
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メイクを自分ですることが難しい。自分の手を顔のどこに置いて動かせばいいのかわからないマツエクをする。作業療法士さんやヘルパーさん、隣の家の人、娘などいろんな人にメイクしてもらう
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ジムのときに着替えができない。大変で、ジムに行くのをやめた
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飲み物を飲んだあと、ペットボトルを机のどこに置いたらいいのか迷う
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机の上のペットボトルを取ることに疲れる。距離を測って手を意識して手を伸ばさないと取れない
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食事の時、持ち方、切り方、口への運び方を考えないと上手く食べられない。常に考えながら食べるので疲れる大きいよりは一口大に切ってあった方が、全体的には食べやすいので、切ってもらう
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食事の時、食べ方ばかり考えすぎると余計に食事がしにくくなり、手が止まる好きなお魚はとかは、結構、食べられる。人としゃべりながらとか気持ちよく食べてるといい。
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食事をする時に、箸が使いにくい、持ち方が難しい
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食事の時、フォークで思ったところに刺せない
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マグカップは、持ったり、使ったりすることが難しい。内と外の色が同じだと扱いづらい適度な重さがあり、ある程度のしっかり感があった方がいい。内と外で色が違うと使いやすい
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トースターから火が出てしまったときに、とっさにトースターの扉を閉められず、息を吹きかけた
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料理をする時、うまく包丁が使えない。同じ形にしたり細かく切ることが難しい
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ペットボトルを開ける時、キャップを外せない。回す方向や力の入れ方がわからない
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おやつを食べる時、お菓子の袋を開けることが難しい。両側に引いて開けるのも前後に破って開けるのも難しい
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ヨーグルトの蓋を開けることが難しい。なかなか開けられず疲れてしまう
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机の上にたくさんのペットボトルが置いてあると、自分のものがどれかわからなくなる
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掃除機、スマホの充電など、コンセントを穴に挿すのが難しい
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トイレットペーパーをくるくる巻いて出すのが難しい。どこをつかめばいいか、どう引けばいいかわからない
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スマートフォンのパスワードの数字の入力が難しいパスワードは指紋認証にしている
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鍵穴に鍵をさし、回して鍵をかけるのが難しい鍵の向きを分かりやすくするために、鍵の頭にうさぎのカバーをつけている
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掃除をする時、部品をあわせて掃除機を組み立てるのが難しい
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洗濯をする時、洗剤を計るのが難しい。蓋に上手く洗剤を入れられないジェルボールの洗剤を使う
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洗濯した後、物干し竿に洗濯物をかけることが難しい
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洗濯した後、洗濯バサミで服をとめることが難しい
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洗濯した後、ハンガーに服をかけられない。袖にハンガーを入れることが難しい
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1ヶ月に1回など、毎週ではなくたまにあるゴミの回収日が覚えられないゴミは娘さんに出してもらう
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スケジュール帳の数字が探せなくなる。週をまたいで、数字が改行しているとわからなくなる
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計算ができないので、医療費控除の申請ができない
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ガスの利用手続きに必要な契約書に自分の名前が書くのが難しい
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買い物をする時、財布にお金をしまうことが難しい
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お金の計算ができない。数を右から順に足すことが難しい
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買い物の時、財布の中からお金を出すことが難しい
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郵便局でお金をおろす時、ATMの操作が難しい。どこを押したらいいのかわからない
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買い物の時、買ったものを持ち帰るのを忘れ、取りに戻る
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スーパーで買ったものの袋詰めを店員に頼んでも、無言で対応される
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買い物の時、バッグの中に手を入れることが難しく、バッグから上手に財布を取り出せない
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買い物の時、購入したものの袋詰めが難しい。袋の開け方がわからない。中に入れたと思っても入っていない
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買い物の時、買い物かごをとることが難しい
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洗顔フォームを絞るのが難しい。手のひらに上手にのせることができないポンプ式で泡が出てくるものを使っている
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歯みがき粉をうまく歯ブラシの上に絞ってのせることが難しい。いつもだらだら垂らしながらのせている
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歯をうまく磨けず、磨き残しができてしまう。口の中で歯ブラシをどう動かすのかわからない電動の歯ブラシの方が使いやすい。マウスピース型の歯ブラシもある
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区役所に行くときに、必要な印鑑を忘れる
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自転車のブレーキが握れず、爆走してしまう
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散歩中、信号に注意を払えない
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ブログを書いてアップする手順を忘れる
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ブログを書く時、携帯で文字を入力できない携帯の音声入力を活用してブログを書く
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銀行窓口で書類を書くのが難しい。字が書けないが、その場で書く必要があり、家族が私の手を握り署名する
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自分の住所、特に数字を書くのが難しい
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認知症のことは言っておらず、できないことをヨガの先生に怒られたり注意され、嫌なことを言われてやめた
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名刺を相手にちょうどいい距離で渡すことが難しい
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年賀状の字がうまく書けず、書いた文字を見た友人から「病院に行ったら」と言われる
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メールやLINEをする時、手や指をうまく動かせない
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「フォーク」という言葉がすぐにでてこない
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言葉が出づらい
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「はさみ」という言葉がすぐにでてこない
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「ヨーグルト」という言葉がでてこない
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ヨガをする時、手足の動かし方がわからない。自分の右足の場所がわからず、手足を言われた通りに動かせない
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はさみの持ち手に指をいれることができても、紙とはさみをどう動かせばいいのかわからず、切ることが難しい
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字が書けない。ペンの持ち方が難しいし、どこにペンを置いて、どう動かすかが難しい
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文字を読んでいて、改行があると目が自然に次の行に向かわず、文章が読めない
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みんなと同じスピードで働くのが難しい
心身機能障害
社会へのメッセージ
認知症本人にやっぱり外に出てきてほしいです。
出てくるとみんなが助けてくれるから、家にこもらずに外に出ましょうと言いたいです。