丹野智文
たんの ともふみ
年齢:
45 歳 (2018年10月インタビュー時点)
性別:
男性
生年月日:
1974年
居住地:
宮城県仙台市
同居家族:
妻と子ども2人の4人暮らし
職業:
元自動車会社の営業・販売/現自動車会社の事務・人事
発症年齢:
35 歳
診断年齢:
39 歳
診断名:
アルツハイマー型
障害等級(障害者手帳)<?障害者手帳は、一定の障害があることを認定するもので、各種支援策が講じられる。認知症で身体に障害がない場合は「精神障害者保健福祉手帳(1級から3級)」、身体に障害がある場合は「身体障害者手帳(1級から7級)」を申請することができる。いずれも1級が重度。:
精神障害者保健福祉手帳 3級
当事者同士の集まり頻度:
おれんじドア月1回(ご本人のためのもの忘れ総合相談窓口)、病院内でのピアサポート
これまでのあゆみ
2009年(35)
営業の仕事でトップの成績を収めるなど、仕事にやりがいを感じる日々
人の顔と名前がわからないことや、人より物覚えが悪いことを気にするようになる
仕事でミスが増え、上司から注意を受けることが増える
2012年(38)
自ら近所の診療所へ行くと広南病院を紹介される。病院で2週間検査入院、その後大学病院へ。不安で涙が止まらなくなる
診断
2013年(39)
大学病院で検査を受け続けた結果、若年性のアルツハイマー型認知症と診断を受ける。アルツハイマー」=「終わり」と思い、ショックで一人泣く
2015年(41)
会社に診断結果と何の仕事でも構わないのでここで働きたいという意思を伝えると、社長から「働ける環境を作るから職場に戻ってくるように」と言われる。驚きと嬉しさで目が潤む
インターネットで調べて、「認知症の人と家族の会」宮城県支部に参加する
認知症と診断された人に対するもの忘れ総合相談窓口「おれんじドア」実行委員会を立ち上げ、代表を務める
2018年(44)
トップセールスマンの経験を生かし、会社で雇用面接や企業説明などを任されている
2019年(45)
会社に所属しながら、認知症に関する活動を仕事として行うようになる
著書・リンクなど
書籍|『丹野智文 笑顔で生きる −認知症とともに-』
出版社: 文藝春秋出版年: 2017年
LINK
人生・生活の喜び
1
発症前後で変わらない喜び
仕事をすること
2
発症前後で変わらない喜び
ゴルフ
3
発症後の喜び
おれんじドアの活動を通して、認知症の人の明るい未来をつくるサポートをすること
4
発症後の喜び
各地に講演に行き、認知症のことを人に伝えること
生活課題
喜び
2
喜び
3 4
喜び
1
-
生活11分類生活課題DATA心身機能障害知恵
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着替えるのが難しい
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洋服を購入する際、サイズ選びを間違え、自分の買いたいサイズではないサイズのものを買った
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自分でコーヒーをいれたことを忘れる。妻がいれてくれたと思い、妻にお礼を言う
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コップが持てなかったり、口に持っていけないことがある
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トースターでパンを焼いていることを忘れ、真っ黒に焦がす
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コーヒーを入れる時、粉を何杯分入れたか忘れている
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献立が立てるのが難しい
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ある出来事がいつ起きたことなのかわからない
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家計の管理は難しい家計の管理は夫がしている
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買い物自体嫌いではないが、施設に入所しているので現在行っていない買い物自体嫌いではない
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スーパーの店内をぶらぶら歩いていると、いつのまにか迷っている
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スーパーでは不安感があり、周りのことは何も目に入らず、何も購入せずに家に帰る
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薬を飲み込むのに問題はないが、服薬は施設の人が管理している
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必要な薬を飲むことを忘れる服薬する薬を妻に確認してもらう
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お風呂にお湯をためる際、栓をしてフタをするが、最後にお湯張りのスイッチを押すことを忘れる
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入浴中、シャンプーとリンスなどの区別がつかず、ボディーソープで頭を洗い、髪の毛がゴワゴワになる
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食後に歯を磨いたことを忘れ、再度磨くことがある
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自宅で歯磨きをするとき、自分の歯ブラシがどれかわからなくなる
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出かける際に、家を出る時間やバスの時間を忘れているリビングのコルクボードに出発時間を大きく書いて貼っている
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仕事でお客さんのマンションに到着したが、部屋番号を忘れ何回も戻って確認する
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飛行機の予約をする際、日にちを間違えた
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歩くのに歩行器が必要
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運転をすると何も考えられないほど疲れる
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電車に乗っていて、自分が思っていたよりも早く目的の駅に到着している
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電車に乗っている時間がとても長く感じて、間違った路線に乗ったのではないかと焦ることがある
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電車の切符を買う際、行き先までの料金を確認したのに、券売機の前に立った途端、料金を忘れている
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電車で移動する際、乗り換える駅だと思い降りたら間違っている
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電車に乗る際、今自分がどこの駅にいるのかわからなくなることがある
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バスで降りる停留所を覚えていて、降りようと思っていても、降車ボタンを押す操作を忘れることがある
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バスに乗っていて、自分が降りる停留所がどこかを忘れる
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駅構内で、自分がどこにいるのかわからなくなることがある
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会社の入っているビルの階段で、自分が何階にいるのか、ここが自分の会社のフロアなのか不安になる
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人と約束したことを忘れるLINEでパートナーに予定を教えてもらう
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人と会う約束をした時間を忘れるスマホのアラームに時間と内容をセットする
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仕事中、「残業」の言葉が出てこなくなり、他の言い方でその場をしのぐ
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忘れていたことを無理に思い出そうとすると、全然違うことを思い出し、それを正解だと錯覚する
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区役所の窓口で聞こうと思っていたことを忘れて聞きそびれる
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活用できる制度について、区役所の職員にこちらから聞かないと教えてもらうことができない
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メールアドレスを正しく入力できず、送信できないことがある。文章も正しく入力できないことがある
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集中すると、周りの声が聞こえなくなってしまい、「無視してる?」と聞かれる
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「車」「服」「販売」など、当たり前のように日常で使っていた言葉を忘れる
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人の話を聞いて理解しようとすると、ものすごく疲れる
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町を歩いているとみんなが知り合いに見え、どの人が知り合いなのかわからなくなる
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知り合いだと思って声をかけたら、知り合いではないことがある
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特徴をメモしたり、写真を見ても、知人の顔を思い出せない
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人が多い所はあまり好きではない
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テーマパークの人混みで、家族を見失うと探すのにとても苦労する
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ゴルフのコースを忘れ、いつも初めてのコースのように感じる
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ゴルフの打数を忘れる
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ゴルフでどのクラブを使って打ったら良いかわからない
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リモコン操作は難しい
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テレビドラマのストーリーが全く頭に残らず、どういうストーリーが展開しているのかわからない
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DVDを見ていても、ストーリーを忘れる。何度も戻して繰り返し見るがわからず、嫌になって見るのをやめる
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ランニングをして、道に迷ったらどうしようという不安がある
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太極拳をやるのがだんだん難しくなった
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映画のようなストーリー性のある映像番組は、何分か経つとそれまで見た内容をすっかり忘れている
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家族構成という言葉は難しい旦那様や子供など、具体的な例を出すと答えられた。
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新聞や雑誌を読むことはできるが、内容が全く頭に残らない
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「ことば」と言われても、ひらがなも漢字もどう書いたらいいのかわからない
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紙に文字を書こうとしても、表現したい単語が出てこない
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「言葉」という漢字が思い出せない。漢字という認識がないので、漢字を書く時は、図形を描くように書く
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仕事の書類がいつ発送されてくるのかを忘れているノートに到着する日にちをメモする
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仕事中、作業をしているときに電話がかかってくると、どのような作業をしていたかすっかり忘れる
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仕事中、お客さんのことを他の人と間違える
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メモを残しても、誰に何の要件で電話をするのか覚えていない
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仕事中、お客さんのリストを持っていても、顔を認識することができない
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仕事中、頭が疲れてくると、文字を認識することが難しい
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出勤の際に、財布・携帯・定期などの忘れ物がないか不安で何度も確認をする財布、携帯、定期入れの3点セットを必ず鞄に入れておく
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仕事中、お客さんと電話で話した内容を忘れ、用件を他のスタッフに伝えられない
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仕事で受け取った、細かい文字で書かれた長いメールを読むのが疲れる
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仕事中、「お客さんが待っている」と言われても、どの人が自分のお客さんかわからない
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職場に何時に出勤するのかを忘れる
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職場の上司の名前を突然忘れる
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社長の顔がわからない
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仕事中、上司から言われたことを忘れる
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集中すると周りの声が聞こえなくなってしまい、「無視してる?」と聞かれる
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仕事中、「この資料を〇〇さんに渡して」と言われるが、渡す相手がわからないその人の机の場所を教えてもらう
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毎日会っている職場のスタッフの名前が出てこない。声をかけられても誰だかわからない
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職場のスタッフを見て「この人誰だろう」と思う
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会議に出席させてもらえなくなった。説明がないと、自分抜きでいろいろなことが決められてしまうと感じる
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仕事中、大事なお客さんの名前を忘れて思い出すことができない
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車の商談で必須となる、新車の情報が覚えられない
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商談でお客さんと話した車の色、オプションの決定などの内容を忘れる
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仕事でお客さんと話をしても、内容を十分の一しか覚えていない
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完了した仕事は、リストに丸をつけるが、数日後に見た時は、「やり終えた」という記憶がない
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仕事のタスクメモや予定を振り返っても、内容を思い出せない
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仕事中、お客さんに電話をすることを忘れる
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先輩社員に教えられたことをすぐに忘れてしまう
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集中しないとものごとが出来ない。途中で別の用事を言われると、直前までやっていたことがわからなくなる
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職場の自分のフロアに到着しても、自分の席がわからない椅子にジャンパーをかけて目印にする
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業務開始から時間が経つにつれて集中力が低下し、頭が痛くなる。計算能力も低下する集中が必要な作業は出社後1時間以内に取り組み、無理と思ったら簡単な作業をする。休憩スペースで休憩する
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仕事中、過去にやったことのある仕事をしても、毎回新しい仕事をしているような感覚になる
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締め切りのある仕事、急ぎの仕事は難しいことが多い急ぎの仕事は請け負わず、自分のペースでやれる仕事をさせてもらう
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仕事で、どのフォルダをクリックするのか手順がわからなくなる順番にクリックしていけば困らないよう、ノートに手順を書いておく